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会長あいさつ

朝倉医師会会長

朝倉医師会会長 田邉 庸一

その昔、明治20年の頃より朝倉郡内に医師同業組合なるものがあり、この組合は、医業を営む者で構成されていた。薬代未納者は主治医の承諾なしには、他の医師の診察は受けられなかったという。この制度はその後も存続し、不徳録として各組合員に通知していた。この同業組合は明治39年公布の医師法により医師会と改称された。これを朝倉医師会組織の創設とするならば、すでに100余年という年月が経過している。 さらに歴史を遡れば、我が朝倉医師会の源始には、予防医学の祖ともいえる緒方春朔翁が存在し、また今、診療を行っている医療機関の中に、数代~十数代続いた先祖代々の医師家系がいくらも存在している。今なおこの朝倉医師会に新たな年輪を重ねつつ我々が今ここにある。

朝倉医師会は、これまでの歴史が示すように、新しい試みに積極的に取り組んできている。その冠たるものが医師会病院の設立であろう。昭和59年、全国で60番目の医師会立の開放型病院として三奈木に産声を上げた甘木朝倉医師会病院は、その後、旧県立朝倉病院を委譲され甘木朝倉医師会立朝倉病院となり二つの病院を合併し平成20年3月20日に朝倉医師会病院として新築開院された。電子カルテ導入など幾多の難問を乗り越え現在に至った。また 病院の他にも、介護老人保健施設(アスピア)、在宅介護支援センター、看護学校などを運営している。

さらに医師会病院ではかかりつけ医がITを利用することによって情報の共有化ができる連携システム(朝倉メディネット)を導入し、他の医師会が羨ましがるような先進的な取り組みを行っている。また、医師会病院はこの地域の医療需要などを考慮し急性期病床の削減を行い、より効率的な病院運営が行えるようにしてきた。

現在は新型コロナウイルス感染症が蔓延し終息の兆しはまだ見えてこないが朝倉医師会員、医師会病院、老人保健施設(アスピア)、在宅介護支援センター、看護学校一丸となって協力し、この難関を乗り切ろうと考えている。

朝倉医師会がこのような事業に積極的に取り組み、運営していけるのは、医師会員の一致団結した協力があってのことである。このチームワークこそが、朝倉の歴史であり医師会の活力であると思われる。

今後、さらに医療の充実を図り、地域住民のため、より良い医療を提供する所存である。